不可解な現実世界を、簡潔で詩的な文体と、寓話を織り込んだ独特のスタイルで描き続けているポール・オースターは、世界20数ヶ国で翻訳され、現代文学界の中でも最も多くの読者と大きな影響力を持つ作家の一人です。
今回、01年の『ムーン・パレス』の舞台化に続きポール・オースター作品の演出に挑む白井晃は、メディアを越えた多彩な経験と豊かな感性から、美意識の高い緻密な舞台を生み出すことに定評があります。オースターの作品の中でも特に寓話性が強く、彼ならではのエッセンスと魅力にあふれた『偶然の音楽』。その謎めいた奇想天外なストーリーとスリリングな駆け引き、理不尽な衝撃と虚脱感に満ちた物語を、臨場感あふれる「硬質な大人のファンタジー」として白井晃が描き出します。 |